宣 言(仮 訳)
1978年7月17日
カナダ、ドイツ連邦共和国、フランス、イタリア、日本国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国並びにアメリカ合衆国の元首及び首相は、1978年7月16日及び17日にボンで会合した。欧州共同体の権限に属する事項の討議については、欧州理事会議長及び同共同体委員会委員長が同共同体を代表して参加した。
我々は、このような措置をとるに際し、インフレに対する闘いでこれまでに達成された進歩を基礎としつつ、この闘いにおいて新たな成功を追求していくであろう。しかしながら、我々は、国際収支の極端な黒字及び赤字を縮小するためにインフレを再燃することなく、より高い成長を実現できる国においては、そのような成長を達成することを必要としている。このことは不安定な為替相場の変動を少なくする。成長の改善は、保護主義的圧力の軽減に役立つ。それはまた経済進歩の鍵である民間投資の流れを促進するためにも必要である。我々は、国内的に、また、国際的に民間投資に対する障害を軽減することに努める。自由世界がその国民の期待及び開発途上国の要望に応えて発展できることを確保するためには、より高い成長が行われることが必要である。
この史上最大の交渉を成功裡に妥結することは、単に1980年代にわたる主要な貿易自由化プログラムを意味するばかりでなく、非関税措置に関してガットにおいてかつてない最も重要な進歩がなされることを意味するものとなろう。かくして、ガットの規則、特にセーフガードに関するものは、世界貿易制度の弱体化を避け、かつ先進国、開発途上国を問わずすべての貿易国に利益をもたらすような形で次の十年の要請に一層則したものとされるであろう。多くの分野における協議及び紛争処理の新しいメカニズムの創設により、国際貿易制度において、従来より相当に高い程度の衡平及び規律が達成されることとなろう。ガット規則の統一的適用が肝要であり、われわれは、この方向に出来るだけ速やかに進むであろう。
交渉のすべての分野において、首脳会議参加諸国は開発途上国と一層緊密に協力して行きたいと考える。われわれは、たとえば、特別かつ異なった取扱いを通じて開発途上国の必要を十分考慮に入れ、かつ、世界貿易制度の利益及び義務に対する開発途上国の一層の参加をもたらすような健全かつ均衡のとれた結果がすべての参加国に対して確保されるよう努力する。
昨年のロンドン首脳会議においてわれわれは世界貿易の保護主議への道をしりぞけた。われわれは東京ラウンドに新たな活力を与えることに合意した。われわれの交渉者はその約束を履行してきた。今日、われわれは、われわれの交渉者に対し、他の参加国と協力して、残された問題を解決し、細部にわたる交渉を1978年12月15日迄に成功裡に完了する任務を与える。
さらに、日本国総理大臣は当面する異常な黒字に対処すべく日本政府は1978年度輸出を数量で前年度と横ばいないしそれ以下とすることをねらいとして輸出の自粛を要請するという臨時異例の措置を講じている旨述べた。
われわれは、コメコン諸国が開発途上国への資金援助における相応の分担をしていないことを極めて遺憾に思い、再度同諸国に対して相応の分担を負うよう呼びかける。
開発途上国の経済成長をもたらし、開発途上国への技術移転を促進する上で対外民間投資が効果的な役割を果たしうるためには、これら開発途上国において良好な投資環境がつくり出され、かつ、外国投資に対して適切な保護がはかられるよう、これら諸国が協力することが必要である。
われわれは、また、パラグラフ15及び16に述べられているエネルギー分野における開発途上国に関する努力に言及する。
われわれが合意した諸措置は、相互に補強的なものであり、その全体の効果は、各構成部分の単なる合計以上のものとなろう。われわれは、今、これらの措置に対する議会及び国民の支持を求める。
われわれはこれらの目的をわれわれのみで達成することを望むことはできない。われわれは他の国々と、また、適当な国際機関の枠内において、緊密に協力する。われわれのうちで欧州共同体の加盟国である国は、共同体の枠組の中において努力する考えである。
われわれは、われわれの代表に対し、1978年末までにこの宣言をレヴューするために会合するよう指示した。われわれは、明年適当な時期にわれわれ自身の間で同様の会議を開く意向である。
出典: 日本政府
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